【年金にかかる税金はどう変わる?】令和8年度税制改正のポイントと年末調整の仕組み
令和8年度の税制改正によって、公的年金から天引きされる税金の計算ルールが見直されました。基礎控除額が引き上げられた結果、税負担が軽くなる年金受給者が増えることが予想されます。ここでは、特に重要な3つの変更点を確認します。
ポイント1:税金が天引きされない年金基準額の引き上げ
令和8年分の公的年金における源泉徴収額の計算に用いる基礎的控除額の表
所得税が源泉徴収(天引き)されない年金額の基準が変更され、65歳以上の方は「214万円未満」、65歳未満の方は「164万円未満」にそれぞれ引き上げられました。
ポイント2:払いすぎた税金が12月に戻る?年金での年末調整の仕組み
令和8年度分の所得税の源泉徴収と還付イメージ
令和8年分の年金については、11月支給分までは改正前のルールで税金が天引きされます。そして12月の支給時に、新しいルールに基づいて1年間の税額が再計算されます。もし税金を払いすぎていた場合は、原則として12月支給の年金額に上乗せする形で還付されます。ただし、この還付は実際に税金を納めすぎた方のみが対象です。
ポイント3:「扶養親族等申告書」の提出対象者が拡大、住民税への影響は
扶養親族等申告書の提出対象の範囲拡大イメージ(65歳以上の方の場合)
所得税の天引き対象ではなくても、個人住民税が課税される可能性のある年金を受給している方へ、新たに「扶養親族等申告書」が送付されるようになります。例えば、65歳以上で年金額が148万円以上の方が該当します。
また、扶養控除の対象となる家族の所得要件が62万円以下に緩和されました。これにより新たに控除の対象となる場合は、日本年金機構から届く「扶養親族等申告書」に必要事項を記入し、期限内に提出することが大切です。この手続きを済ませれば、確定申告をしなくても年金から天引きされる税額を適正に抑えることができます(ただし、他に一定の所得がある場合などは除きます)。
これらの変更内容を把握し、ご自身の状況に応じて必要な手続きや還付の有無を確認することをおすすめします。
ほけんの窓口グループ出身。FP2級、生命・損害保険募集人資格。多数のライフプランニングや保険EC事業立ち上げを経験。現在は最適な保険の選び方を伝えるべく、コンテンツ制作や専門記事の執筆業務を行う。
日本生命保険相互会社出身。元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
