前編では、クレカ積立の仕組みやメリット、ポイントについて解説を行いました。後編では、クレカ積立のデメリットや注意点を解説していきます。
クレカ積立はメリットばかりではありません。注意点を理解したうえでメリットを最大限生かし、そのうえでクレカ積立をもとにした証券会社選びをしていくことが大切です。
また、クレカ積立以外の部分で証券会社選びに必要な視点についても確認していきましょう。
クレカ積立のデメリットとは?
クレカ積立を行ううえでは、デメリットを理解しておく必要があります。
とはいえ、デメリットは決してマイナスと捉える必要はありません。むしろ制約があることを前提にクレカ積立を行っていきましょう。
積立日が固定されており、上限額がある
前編でもお伝えしましたが、クレカ積立の上限額は月10万円となっています。これ以上のクレカ積立はできません。
また、月に1回しか積立を行うことができません。積立日も証券会社が定めた日となります。通常の積立投資ではご自身で積み立てる日を設定できますが、クレカ積立では一般的に毎月1日に積み立てるなど固定されています。
そのため、下がったからチャンスという時にはクレカ積立とは別にご自身で売買を行う必要があります。
家族カードは利用できない
クレカ積立は、ご自身の名義のクレジットカードで行う必要があります。家族カードでのクレカ積立はできません。もしご自身名義のクレジットカードを保有していない場合には、クレジットカードを作成する必要があるためご注意ください。
なお、クレカ積立を行うにあたって利用できるクレジットカードは証券会社ごとに決まっています。どのクレジットカードでも積立ができるわけではありませんので、この点も注意する必要があります。
図表 クレカ積立のデメリット
クレカ積立を行う上での注意点
クレカ積立のデメリットについて確認してきましたが、この他にも、クレジットカードの利用という視点からクレカ積立で注意しなければならない点があります。
以下で、クレカ積立を行う上で注意したい点をご紹介していきます。
クレジットカードの支払限度額を考慮する
クレカ積立は月額10万円という上限設定が設けられていますが、そもそもクレジットカードには利用限度額が設けられています。クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠の2つの枠がありますが、この2つをあわせて利用限度額までしか利用できません。
仮にクレカ積立の利用を行った場合に、他の買い物などで利用限度額を超えるためクレジットカードが使えないといった支障が出る可能性があります。そのため、ショッピングは別のクレジットカードにするなど利用限度額を超えない使い方を考える必要があります。
図表 クレカ支払限度額の例
カードの利用停止は、積立の停止にもつながる
クレカ積立は便利な反面、当然ながら支払いをしっかり行う必要があります。仮に支払いが遅れるといったことがあった場合には、カードが利用できなくなる恐れがあります。この場合には積立の停止にもつながってしまいます。
海外使用など不正利用を検知した場合には、ご自身のせいではなくてもカードの利用停止となることもあります。この場合にも積立が停止になる恐れもあるため、クレジットカードの利用自体にも注意する必要があります。
クレカ積立のある証券会社選び
クレカ積立のデメリットや注意点を解説してきましたが、ご理解いただけたでしょうか。
メリット以外の部分も知ったうえでメリットを活かすべく、続いてクレカ積立のある証券会社からどの証券会社を選んでいくべきかを考えていきましょう。
クレカ積立のある金融商品の数から選ぶ
クレカ積立は、基本的に投資信託の購入で利用ができます。ただ一言で投資信託といっても、取り扱いのある投資信託は証券会社ごとに異なります。そこで、ご自身がクレカ積立で投資したい投資信託があるかどうかという視点から証券会社を選んでみてはいかがでしょうか。
この場合、証券会社を選択し、その後必要となるクレジットカードを作成する流れとなります。もちろん、保有するクレジットカードからクレカ積立のできる証券会社を選ぶといった方法も検討できます。その場合には、投資したい投資信託があることも確認すべきです。
クレカ積立部分以外の部分(手数料やその他の金融商品の種類など)から選ぶ
クレカ積立部分以外の点についても確認しておきましょう。例えば、投資信託や株式などの売買手数料を抑えることができるのかどうか、その他の金融商品でも投資したい場合には投資したい金融商品がそろっているかなども確認しましょう。
総合的に見て一番使いやすいと感じる証券会社を選択し、クレカ積立はもちろんのこと、資産運用全般を行えるようにしていくべきですね。
クレカ選びも検討する
最後に、クレカ選びについても解説しておきます。前編でもお伝えしましたが、クレカ積立の行える証券会社ごとに利用できるクレジットカードは異なります。その際に、ポイント還元がどの程度受けられるのか、年会費はかかるのかどうかなども確認しておきましょう。
ポイント還元率が高いクレジットカードは、年会費がかかるケースが多くあります。年会費を支払ってでもポイントを受け取ることに魅力を感じるかどうか(元が取れるかどうか)も確認してください。クレカ積立だけではなく、普段からも利用できるクレジットカードを選択するとポイントが貯めやすくなりますよ。