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2024.06.03
2024.09.04

【投資初心者が知っておきたい新NISAのツボ】「成長投資枠」での運用や銘柄選びのポイントを解説

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執筆者:
宮野 茉莉子
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部

2024年よりパワーアップした新NISA制度。つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になり、非課税枠も拡大したことで、「成長投資枠を利用したい」と思われる方もいるでしょう。つみたて投資枠とは違い、成長投資枠は運用できる金融商品が幅広く、また運用方法も積立投資と一括投資が利用できます。自由度が高い分、どのような運用をしたらよいか悩ましいところですよね。今回は投資初心者向けに、新NISAの成長投資枠に視点をあてて確認した後、運用や銘柄選びのポイントを解説します。

新NISA「成長投資枠」の年間投資枠や対象商品とは

新NISAは、通常は運用益に対してかかる20.315%の税金が非課税となる制度です。利益が出た場合の税金が非課税になることで、投資初心者の方も運用をはじめやすくなりました。

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出所:金融庁「NISAを知る」を元に編集部作成


新NISAには成長投資枠とつみたて投資枠がありますが、つみたて投資枠とは違い、成長投資枠は「投資方法」と「投資対象商品」の自由度が高くなっています。

新NISAの「成長投資枠」で運用できる金融商品は「上場株式・投資信託など※」です。

※①整理・監理銘柄②信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託などは除外とする。

また、運用方法には「一括投資」と「積立投資」があるため、さまざまなニーズにあわせた運用がしやすいでしょう。

なお、成長投資枠の年間投資枠は240万円となっており、つみたて投資枠の2倍です。金額が多いからこそ、金融商品や運用方法選びはしっかりとおこないたいですね。

また、注意したいのが新NISAの非課税保有限度額(総枠)は1800万円ですが、そのうち成長投資枠は1200万円となっている点です。ただし、新NISAは枠を使い切っても、売却をした翌年には枠が復活する制度となっています。

新NISAをどう活用する?売却タイミングも検討を

成長投資枠で運用をはじめる前に確認したいのが、そもそも新NISAをどう活用するかです。

新NISAにはつみたて投資枠と成長投資枠があり、基本的につみたて投資枠は長期的な資産形成を目的として運用される方が多いでしょう。一方で成長投資枠は自由度が高い分、どのような目的で成長投資枠を利用をするか考えることが重要です。

金融商品は商品によってリスク・リターンが異なり、一般的には預貯金が最もリスク・リターンが低く、債券、投資信託、株式という順でリスク・リターンが大きくなってきます。

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出所:金融庁「応用編 4 「貯める・増やす」 ~ 資産形成」を元に編集部作成

成長投資枠は上場株式や投資信託など金融商品の自由度が高く、また一括投資をする場合にはつみたて投資枠よりもリスクが高くなりやすいといえるでしょう。

どれだけリスクがとれるかは、年代やライフプランなどによって異なります。

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出所:金融庁「資産形成の基本」を元に編集部作成

ライフイベントを考えるとリスクがとりにくかったり、また年代が上がるほどリスクがとりにくいなどもあります。ご自身やご家庭の状況を考えて、新NISAで「つみたて投資枠と成長投資枠を併用するか」「併用するならどう使い分けるか」をまずは考えましょう。

もう一つ考えておきたいのが、売却のタイミングです。

毎日株価や経済情報を調べたり学んだりできる時間がとれる方もいれば、現役世代の方はこまめに経済情報をみたり、機動的に売買できないというライフスタイルの方も多いでしょう。

ライフスタイルによって情報収集や売買の時間がとりにくい場合には、そのライフスタイルにあった運用方法や売却のタイミングを前もって考えておくことが大切です。

たとえば株式には短期売買もあれば、長期保有する方法もあります。ご家庭のリスク許容度、ライフイベント、ライフスタイルなどを総合的に考えた新NISAの活用方法を考えましょう。

投資信託?株式?「成長投資枠」での運用や銘柄選びのポイント2つ

成長投資枠の活用方法としては、主に以下の2つがあります。それぞれ詳しくみていきましょう。

アクティブファンドに投資する

つみたて投資枠は対象商品と投資方法が定められている分、一般的には長期的な資産形成で利用される方が多いでしょう。

つみたて投資枠の投資商品は、金融庁の基準を満たした「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」と定められています。具体的にはインデックスファンドやアクティブファンド、上場株式投資信託(ETF)となっており、中でもインデックスファンドの商品数が多くを占めています。

インデックスファンドは日経平均やNYダウといった株価指数などのベンチマーク(指標)に連動する運用成績を目指す投資信託で、アクティブファンドはベンチマークを上回る運用成果を目指す投資信託です。

基本的にアクティブファンドの方がハイリスク・ハイリターンとなりますが、「つみたて投資枠でインデックスファンドへの投資を行い長期的な資産形成を行いながら、成長投資枠でアクティブファンドへの投資をおこないリターンを期待する」という方法もあるでしょう。

アクティブファンドにもさまざまなものがあり、米国株や欧州株、日本株など特定の地域や商品で運用する商品もあれば、世界の株式や債券など幅広く運用する商品もあります。

分散投資が可能な投資信託であっても、どの商品や地域に投資するかでパフォーマンスは大きく変わります。さまざまな商品の中から情報収集を重ね、また「投資期間」や「売却のタイミング」も検討した上で、納得のいく銘柄選びをおこないましょう。

国内外の株式で運用をする

成長投資枠では株式での運用も可能です。株式投資は金融商品の中でも基本的に最もハイリスク・ハイリターンといえますが、利益や配当金、株主優待などの魅力を感じる方もいるでしょう。

株式投資では短期売買をする方もいますが、投資初心者の方は、まずは配当金や株主優待といった、株式を保有する中でもリターンが得られる銘柄を選んで中長期で保有する運用方法を選ぶのも一つです。自身の身近な企業から、これまでの業績や配当金、株価の推移などさまざまな部分での情報収集を重ねて、納得のいく銘柄選びを検討されるといいでしょう。

また、株式であっても複数の銘柄に投資をして、分散投資をすることも可能です。

年代やライフプランにあわせた資産形成を考えよう

成長投資枠は自由度の高い運用が可能ですが、活用する際に重要なのは「自身や家庭にあった運用をおこなうこと」です。

投資初心者の方が成長投資枠で運用する場合には、家庭の家計状況や家族のライフイベントを確認し、ご自身やご家庭がとれるリスクを踏まえたうえで運用を検討しましょう。

参考資料

執筆者/株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
宮野 茉莉子

1984年生まれ。群馬県出身。東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。支店にてファイナンシャル・コンサルティング課に配属され、国内外株式、国内外の債券投資信託、保険商品などの販売を通じ、主に富裕層や個人顧客向けに資産運用コンサルティング業務に従事し、顧客のライフプランに寄り添った提案を行った。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

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