この記事はここがポイント
- カーブスHD、2026年8月期優待拡充。記念優待と増配、権利付最終日は8月27日。
- 継続保有は株主番号連続が条件。氏名変更や貸株利用でリセットの可能性あり。
- 記念優待は2026年8月期限定、還元低下リスク。優待品実用性や配当方針持続性も重要。
「株主優待が充実している銘柄」として話題になることがあっても、実際にいくら分の還元を受けられるのか、いつまでに株式を保有すればよいのかまで、正確に把握している人は多くないのではないでしょうか。
カーブスホールディングス(証券コード:7085)は、2026年8月期より株主優待を大幅に拡充し、さらに創設20周年を記念した特別優待も加わることで、注目を集めています。あわせて、配当金も大幅な増配が予定されています。
本記事では、カーブスHDの株主優待・配当の内容を整理したうえで、保有株式数・継続保有期間別の還元シミュレーション、そして優待を受け取るために「いつまでに株式を保有すべきか」というタイミングについて確認していきます。
カーブスHD(7085)記念優待込みで還元利回り「実質何%?」元証券マンFPが配当・優待をあわせて試算
まず、実際にどの程度の「利回り」が期待できるのか試算してみましょう。
カーブスHDの株価は、2026年8月3日の終値で934円です。同社の株式は100株が売買単位のため、最低投資額は934円×100株=9万3400円となります(このほか証券会社への売買手数料が別途必要です)。
この最低投資額(9万3400円)に対して、2026年8月期の株主還元額(配当+優待)がどの程度の利回りになるか計算すると、以下のようになります。
【100株保有・2026年8月末時点の株主還元利回り(税引前・記念優待込み)】
- 継続保有1年未満:還元額5000円相当÷投資額9万3400円=約5.35%
- 継続保有1年以上:還元額5500円相当÷投資額9万3400円=約5.89%
- 継続保有3年以上:還元額6000円相当÷投資額9万3400円=約6.42%
出所:株式会社カーブスホールディングス「株主還元(株主優待・配当等)」をもとに筆者試算
参考までに、2026年8月期の配当金のみを株価で割った通常の「配当利回り」は、年間配当30円÷934円=約3.21%です。
優待分(記念優待込みで2000円〜3000円相当)を加えることで、利回りは配当のみの場合と比べて2ポイント前後押し上げられる計算になります。
ただし、この試算は2026年8月3日終値をもとにした一時点の数値であり、株価は日々変動します。
また、優待の還元額は「QUOカード」「電子マネー等」など、現金ではなく金券・ポイント等での還元である点にも留意が必要です。
あくまで「参考値」として捉えたうえで、次の章から制度の詳細を確認していきましょう。
カーブスHD(7085)最低100株から!3つの株主優待と「+1000円」の20周年記念優待
まずは、カーブスHDがどのような株主還元を行っているのか、基本的な内容から確認していきましょう。
株主優待の内容(QUOカード・電子マネー等・カーブス定期便割引)
カーブスHDでは、毎年8月末時点で100株(1単元)以上を保有する株主を対象に、株主優待を実施しています。優待内容は、保有株式数と継続保有期間に応じて、以下の3つから選択する方式です。
- QUOカード
- 電子マネー等
- カーブス定期便契約商品の割引(カーブス会員限定)
【通常時の優待額(継続保有期間別)】
- 100株以上で「1年未満保有」:1000円相当
- 100株以上で「1年以上保有」:1500円相当
- 100株以上で「3年以上保有」:2000円相当
- 500株以上で「1年未満保有」:2000円相当
- 500株以上で「1年以上保有」:3000円相当
- 500株以上で「3年以上保有」:5000円相当
継続保有期間が長くなるほど、優待額が段階的に増える仕組みになっている点が特徴です。
2026年8月期限定の「20周年記念優待」(+1000円相当)
カーブスHDは、2026年8月期に限り、カーブスチェーン創設20周年を記念して、すべての株主に一律1000円分の優待を上乗せすると発表しています。
たとえば、100株保有・継続保有1年未満の株主の場合、通常時の優待額1000円相当に記念優待1000円相当が加わり、2026年8月末に限り合計2000円相当の優待を受け取れる計算です。
配当金の推移(2023年8月期〜2026年8月期予想)
続いて、配当金についても確認しておきましょう。カーブスHDの1株当たり配当金は、以下のように推移しています。
- 2023年8月期:10円
- 2024年8月期:15円
- 2025年8月期:17円
- 2026年8月期(予想):30円
2026年8月期の年間配当予想は、1株当たり30円(中間配当実績10円、期末配当予想20円のうち、創設20周年記念配当10円を含む)です。
前期比13円の大幅増配となる見込みで、配当性向も57.0%まで上昇しています。
会社側は、剰余金の配当について「連結配当性向50%を目標とする」という基本方針を掲げており、2026年8月期はこの方針を上回る配当性向となる見込みです。
優待の拡充にあわせて、配当面でも株主還元を強化する方針であることがうかがえます。
カーブスHD(7085)「いつまでに保有すべき?」権利確定日などタイミングを確認
株主優待や配当金を受け取るためには、決められた期日までに株式を保有しておく必要があります。ここでは、カーブスHDの権利確定に関するタイミングと、注意すべきポイントを確認していきましょう。
権利付最終日・権利落ち日・権利確定日(2026年8月27日・28日・31日)
カーブスHDの2026年8月期の株主優待・配当を受け取るための重要な日程は、以下のとおりです。
- 権利付最終日:2026年8月27日(木)
- 権利落ち日:2026年8月28日(金)
- 権利確定日:2026年8月31日(月)
株式の売買には「受渡日」が約定日の2営業日後になる、という仕組みがあります。そのため、株主優待・配当を受け取るには、権利確定日そのものではなく、その2営業日前にあたる「権利付最終日」までに株式を購入し、保有している必要があります。
つまり、カーブスHDの株主優待・配当の権利を得るためには、2026年8月27日(木)の取引終了時点で、100株以上を保有している必要があるということです。
翌営業日の8月28日(金)以降に購入しても、この期の優待・配当の対象にはなりません。
継続保有期間のカウント方法と注意点
先ほど確認したとおり、優待額は継続保有期間(1年未満・1年以上・3年以上)によって変わります。
この継続保有期間は、2月末・8月末の基準日において、同一の株主番号で100株以上を連続して保有していることが条件です。
具体的には、以下のように定義されています。
- 1年以上(3年未満):基準日(2月末・8月末)の株主名簿に、同一の株主番号で100株以上の保有が連続して3回以上(7回未満)記録されている場合
- 3年以上:基準日の株主名簿に、同一の株主番号で100株以上の保有が連続して7回以上記録されている場合
ここで特に注意したいのが、「株主番号」が変更されると、継続保有期間がリセットされてしまう可能性がある点です。
同社が挙げている、株主番号が変更されるケースには、以下のようなものがあります。
- 婚姻や転居による氏名・住所の変更
- 相続による名義変更
- 株式を預けている証券会社の変更
- 証券会社の「貸株サービス」の利用
- 保有株式を一度全て売却し、権利付最終日までに買い戻した場合
- 一般口座・特定口座とNISA口座の間で保有を切り替えた場合
たとえば、優待の内容を比較して証券会社を乗り換えたり、貸株サービスで金利収入を得ようとしたりすると、意図せず継続保有のカウントがリセットされ、優待額が減ってしまう可能性があります。
長期保有による優待の上乗せを重視する場合は、こうした手続きの変更に慎重になる必要があるでしょう。
なお、同社は特別措置として、2026年8月末までに100株以上を保有すれば、これまでの保有期間も通算して優待制度が適用されるとしています。
100株未満しか保有していない株主も、8月末までに買い増しをすれば、優待の対象になる点は押さえておきたいポイントです。
【元証券マンが解説】利回り5%超えだけで選ぶのは危険?3つの重要ポイントをチェック
優待銘柄への投資を検討する際には、優待利回りの高さだけで判断しないよう、いくつかの視点を持っておくことが大切です。
記事の冒頭で確認したとおり、カーブスHDの場合、記念優待込みの還元利回りは約5〜6%と、通常の配当利回り(約3%)と比べて高い水準になります。
こうした「優待+配当」のトータル利回りの高さは、投資判断における一つの魅力的な材料になり得ます。しかし、以下の点もあわせて確認しておく必要があります。
優待は「毎年続く保証」ではないことを理解する
今回の20周年記念優待のように、特定の年に限定した特別優待は、翌年以降も継続するとは限りません。本記事の試算で使った利回りには、この記念優待分(1000円相当)が含まれているため、2027年8月期以降は還元利回りが低下する可能性がある点は、あらかじめ想定しておく必要があります。
優待の価値は「現金」ではないことを踏まえて考える
株主優待の多くは、自社商品やQUOカード、電子マネーなど、現金以外の形で提供されます。日常的に使う予定がない優待品の場合、額面どおりの価値を実感しにくいこともあります。自分のライフスタイルで実際に活用できる優待かどうかも、判断材料に加えるとよいでしょう。
業績や配当方針の持続性も、あわせて確認する
2026年8月期の配当性向は57.0%まで上昇する見込みで、会社が目標とする50%を上回っています。増配や優待拡充は株主にとって魅力的な変化である一方、それが会社の利益成長に裏付けられたものか、一時的な記念要素によるものかを見極めることも大切です。
株主優待は、資産形成における「おまけ」的な楽しみとして捉えるのであれば魅力的な制度ですが、投資の主目的を優待の利回りだけに置いてしまうと、優待内容の変更や廃止があった際に、想定外の損失につながることもあります。
優待・配当・株価の値動きを含めた、総合的な視点で投資判断を行いましょう。
まとめにかえて
カーブスHD(7085)は、2026年8月期より株主優待を大幅に拡充し、創設20周年を記念した特別優待(全株主に一律1000円相当を上乗せ)も加わることで、配当とあわせた株主還元が手厚くなっています。
優待・配当を受け取るためには、権利付最終日である2026年8月27日(木)までに、100株以上を保有しておく必要があります。
また、継続保有期間による優待額の違いを活かしたい場合は、証券会社の変更や貸株サービスの利用によって株主番号が変わり、継続保有のカウントがリセットされる可能性がある点にも注意が必要です。
ただし、今回の記念優待はあくまで2026年8月期限定の特別措置であり、翌年以降も同水準の還元が続くとは限りません。
優待利回りの高さだけで判断せず、優待品の実用性や、配当方針の持続性もあわせて確認したうえで、投資判断を行いましょう。
参考資料
証券会社出身。約8年間にわたり株式や投資信託、生命保険の販売に従事。現在はフリーライター兼個人投資家として活動中。FP2級や一種外務員の知識と自身の投資実務を活かし、マーケット動向を注視した金融記事を精力的に執筆している。
