この記事はここがポイント
- 2026年9月末100株株主への特別優待パスポート進呈、2027年3月期配当金16円へ6期連続増配
- 2026年3月期決算後急落から約3カ月ぶり高値2630円までの株価急回復
- 2028年3月期以降新アトラクション、2029年3月期45周年イベントで本格増益、7月末決算・9月末権利取り日が焦点
オリエンタルランド(4661)の株価が反発しています。2026年5月に2125.5円まで下落したものの、6月以降はほぼ右肩上がりとなり、現在は2630円と約3カ月ぶりの高値まで上昇しました(2026年7月23日終値)。
オリエンタルランドの株価チャート(日足、1年)
オリエンタルランドに何が起きているのでしょうか。IFA(金融商品仲介業)として株式市場を10年以上見てきた筆者が解説します。
※決算情報・業績等は執筆時点での情報にもとづいています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。
オリエンタルランド(4661)決算後に急落→急回復の背景は?
オリエンタルランドの足元の株価を確認しましょう。
26年3月期本決算で10%安も2カ月で回復
オリエンタルランドの業績(2017年3月期~2027年3月期)
直近で大きな下落となったのが2026年3月期の本決算です。2026年4月28日に公表すると、株価は前日比10.1%安となる2188.5円まで急落しました。実績が5年ぶりの営業減益で、翌2027年3月期も減益予想としたことが売りを誘ったと考えられます。
ただし、そこから大きく売り込まれることはなく、6月以降は上昇する日が目立つようになりました。6月は2490円で取引を終え、本決算後の下げ幅を取り戻しています。
7月に「逆行高」 値上げ報道も好感
7月になると、上昇は一段と強まります。終値ベースで13日まで前日比マイナスがなく、無傷の8連騰を記録しました。半導体株を中心に売りが強まるなか「逆行高」を演じます。
さらに、反発に勢いがついたのがチケット値上げ報道です。14日に伝わると、株価は前日比6.2%高となる一時2814円まで上昇しました。終値では2745円まで押されたものの、21日は再び2800円台まで買われるなど、上値を試す展開となっています。
オリエンタルランド(4661)長期では下落トレンド 「本格回復」はいつ?
もっとも、オリエンタルランドの株価は長期的には大きく下落しています。PER100倍を超えたこともあるグロース株ながら、近年は成長性に一服感があり、高いバリュエーションの正当化が難しくなってきているとみられます。
本格回復は再来年 来期からも増益基調へ
では、オリエンタルランドはいつ復調するのでしょうか。オリエンタルランドは、「増益基調は2028年3月期から」と説明します。2028年3月期は春に「シュガー・ラッシュ」の世界を舞台としたアトラクションや、リニューアルした「スペース・マウンテン」の開業を予定しており、成長に寄与する模様です。
成長は翌2029年3月期に本格化すると考えられます。上述の新アトラクションが通期で稼働するほか、東京ディズニーリゾート45周年イベントや新事業である「ディズニー・クルーズ」の就航も予定しており、収益の押し上げが期待されます。
今期は「トイ・ストーリー」と「リメンバー・ミー」で勝負
今期(2027年3月期)においても、大型タイトルに連動したイベントを計画しており、集客を目指す考えです。7月~9月は、「トイ・ストーリー」のスペシャルイベントを実施するほか、人気のハロウィーンイベントは「リメンバー・ミー」をテーマに、前年よりエリアを拡大して展開する計画です。
オリエンタルランドが抱える課題の1つが夏季の集客です。今期は上述のスペシャルイベントのほか、夏季限定のチケットも展開し、テコ入れを図っています。
その効果の確認となる中間決算は、当面の焦点となるでしょう。チケット値上げ報道もあり、駆け込み需要もあるかもしれません。中間決算は、10月下旬に公表される予定です。
オリエンタルランド(4661)特別株主優待「100株でパスポート」+増配も発表!
2026年3月期の本決算は、先述のとおり公表後に株価の下落を招くなど、市場の期待にはこたえられなかった模様です。
一方で、2026年限定の特別な株主優待が発表され、ディズニーファンからの注目が集まっています。
上場30周年の特別株主優待 100株の短期保有でも対象に
オリエンタルランドの株主優待(1デーパスポート)
オリエンタルランドの株主優待は「株主用パスポート」です。東京ディズニーランドまたは東京ディズニーシーで利用できる1デーパスポートで、毎年3月末および9月末の株主に進呈しています。通常、株主優待は最低500株以上を保有するか、100株以上を3年以上保有することが条件です。
しかし今回、オリエンタルランドは上場30周年を記念し、100株以上の株主にも株主優待を実施すると発表しました。対象は2026年9月末の株主に限る内容で、100株を保有するなら保有期間にかかわらず株主用パスポートが進呈されます。
配当金は1円増配の16円 6期連続増配へ
なお、配当金も引き上げられました。2027年3月期の1株あたり配当金は、前期から1円の増配となる16円を計画します。計画どおりなら増配は6期連続です。
オリエンタルランド(4661)押さえておきたい3つの株価イベント
最後に、当面の株価材料を整理しておきましょう。IFAとして活動する筆者が注目点を解説します。
7月末に4~6月決算 入園者数と費用に注目
オリエンタルランドは2026年7月30日に、2027年3月期第1四半期決算の公表を予定しています。これまで「入園者数の鈍化」や「費用の増加」などが懸念されてきており、これらの進捗は注目されやすいと考えられます。
9月末は権利取りの取引が想定
オリエンタルランドの特別株主優待は、2026年9月28日(月)が権利付き最終日です。この日に向かって買いが集まりやすい一方、権利落ち後は調整が入りやすいことに注意しましょう。
10月以降は値上げ効果の見極めへ
先述のとおり、10月下旬の公表を予定する中間決算は注目されやすいイベントですが、続く第3四半期決算も焦点となるでしょう。10月以降の値上げ効果が表れてくるためです。値上げが増収要因として機能するのか、それとも客足の鈍化を招くのか、株価材料として意識しておきたいところです。
オリエンタルランドの株価は変動がありますが、ディズニーリゾートの圧倒的な人気とブランド力はやはり健在です。
今回は100株の保有でパスポートがもらえる特別優待も発表され、投資初心者の方にとっても魅力的な機会と言えるでしょう。優待をきっかけに投資に興味を持つのは素晴らしいことですが、権利落ち後の株価下落リスクなどにはしっかりと注意を払い、余剰資金の範囲内で冷静に投資判断を行うことが大切です。
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の株式の売買を推奨するものではありません。
投資判断は、最新の決算資料や市場動向をご確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。
株主優待の内容や条件は変更される場合があります。詳細は必ず公式サイトでご確認ください。
参考資料
- 株式会社オリエンタルランド「2026 年 3 月期 決算説明会 質疑応答 」
- 株式会社オリエンタルランド「株主優待制度」
- 株式会社オリエンタルランド「平成29年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社オリエンタルランド「平成31年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社オリエンタルランド「2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社オリエンタルランド「2023年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社オリエンタルランド「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社オリエンタルランド「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社オリエンタルランド「2026年3月期 決算説明会」
- 株式会社オリエンタルランド「FACT BOOK 2020」
- 株式会社オリエンタルランド「FACT BOOK 2025」
- 株式会社オリエンタルランド「FACT BOOK 2026」
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)3月分及び2025年度(令和7年度)平均」
- 株式会社オリエンタルランド「有価証券報告書 第60期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)」
- 株式会社オリエンタルランド「半期報告書 第66期中(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日)」
- 株式会社オリエンタルランド「経営計画」
- 株式会社オリエンタルランド「ディズニー&ピクサー映画『トイ・ストーリー5』公開記念東京ディズニーリゾート®のスペシャルイベント「ファンタイム・ウィズ・トイ・ストーリー5」開催のお知らせ」
- 株式会社オリエンタルランド「秋の東京ディズニーリゾート®」
- 株式会社オリエンタルランド「この夏、あなたのスタイルで楽しむ!東京ディズニーランドⓇ/東京ディズニーシーⓇ夏期限定パスポート 3 種を発売(7 月 1 日~9 月 14 日入園分)」
証券会社を経てIFAとして10年以上活動。個人へ投資提案を行う傍ら、金融ライターとしてNISA等の資産運用から社会保障まで幅広く執筆。現在は大型株を中心に年100本ペースで連載。AFP等保有。
日本生命保険相互会社出身。元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてLIMO&ファイナンス編集部にてわかりやすく信頼できる記事をお届けします。
