この記事はここがポイント
- NTTの株主優待はdポイント、ソフトバンクはPayPayマネーライト進呈、継続保有が条件
- 両社増配予想で、年間配当金はNTT5.4円、ソフトバンク8.8円
- 保有期間は株主名簿記載日を起算、次期末配当の権利付き最終日は2027年3月29日
10月に入り、2026年度も後半に入りました。3月期決算の会社では、次の期末配当と株主優待の基準日は2027年3月末です。毎日使う携帯電話の会社の株を持っていて、ポイントの優待が気になっている方もいるかもしれません。スマートフォンの料金を払っている会社が、株主にはどんな形で還元しているのかを知っておくと、家計のお金の流れも見えやすくなります。
今回は、通信大手のNTT<9432>とソフトバンク<9434>を取り上げます。2社とも株価は100円台から200円台で、優待はdポイントやPayPayマネーライトといった、日々の買い物に使える形です。
2社の株価と参考指標を確かめたうえで、優待の条件と、条件になっている「保有期間」の数え方、配当の推移と予想、次の基準日までの日付を順にみていきましょう。
なお、株価は取引のたびに動き、優待や配当の中身も会社の判断で変わる場合があります。投資のご判断はご自身の責任でお願いします。
※記事中の株価はすべて終値です。
※株式分割の影響は遡及修正して調整しています。
NTT(9432)とソフトバンク(9434)の株価。10月2日の終値は169.9円・237.4円
最初に、NTT<9432>とソフトバンク<9434>の株価と参考指標を、銘柄ごとに確かめてみましょう。
NTTの株価と参考指標(2026年10月2日時点)
- 終値 169.9円
- 前日比 ▲0.23%
- 始値 169.5円
- 高値 170.2円
- 安値 168.5円
- 時価総額 15,384,499百万円
- PER(会社予想) 14.11倍
- PBR(実績ベース) 1.40倍
- 配当利回り(予想) 3.18%
NTT<9432>の年初来高値は2026年9月18日の180.1円、年初来安値は6月23日の142.6円です。10月2日の終値169.9円は、6月の安値からは上がり、9月の高値には届いていない位置です。
ソフトバンクの株価と参考指標(2026年10月2日時点)
- 終値 237.4円
- 前日比 ▲1.41%
- 始値 239.7円
- 高値 240.6円
- 安値 235.9円
- 時価総額 11,407,351百万円
- PER(会社予想) 20.27倍
- PBR(実績ベース) 3.90倍
- 配当利回り(予想) 3.71%
ソフトバンク<9434>の年初来高値は2026年9月15日の252.9円、年初来安値は6月26日の202.6円です。10月2日は前日の終値240.8円から3.4円下げ、237.4円で取引を終えました。
10月2日の終値で100株分を計算すると、NTT<9432>が1万6990円、ソフトバンク<9434>が2万3740円です。配当利回りの予想は、NTT<9432>が3.18%、ソフトバンク<9434>が3.71%です。
NTTの株主優待はdポイント。2026年3月31日基準では保有期間2年以上3年未満と5年以上6年未満が対象
NTT株式会社「株主さまへのdポイント進呈」によると、2026年3月31日を基準日とした進呈では、その日に100株以上を持ち、保有期間が決まった範囲にある株主にdポイントが贈られました。
保有期間別のdポイント(2026年3月31日基準)
- 保有期間2年以上3年未満(名簿に載った日が2023年4月1日から2024年3月31日まで) 1,500ポイント
- 保有期間5年以上6年未満(名簿に載った日が2020年4月1日から2021年3月31日まで) 3,000ポイント
毎年贈られるものではなく、同じ株主番号で受け取れるのは最大4,500ポイントとされています。受け取るには、郵送されるIDとパスワードで専用サイトにエントリーする必要があり、2026年度に対象となった株主のエントリー期間は2027年3月31日(水)午後9時59分までです。dポイントは1ポイント1円として使えます。
ソフトバンクの株主優待はPayPayマネーライト1,000円分。1年以上・100株以上が対象
ソフトバンク株式会社「株主優待・株主特典イベント」によると、普通株式を1年以上、100株以上持つ株主に、PayPayマネーライト1,000円分が贈られます。社債型種類株式は優待の対象になりません。
基準日ごとの保有期間と進呈時期
- 3月31日が基準日の場合 保有期間は3月31日~翌年3月31日、申請期日は翌年3月31日、進呈は翌年5月
- 9月30日が基準日の場合 保有期間は9月30日~翌年9月30日、申請期日は翌年9月30日、進呈は翌年11月
100株以上を取得して株主名簿に載った日から、先に来る基準日が起点になります。受け取るには株主優待サイトでの申請が必要で、申請期日までに申請しなかった場合は、申請日のあとの次の基準日に回るとされています。
保有期間は株主名簿に載った日から数える。株主番号が変わると数え直し
2社とも、保有期間は株を買った日ではなく、株主名簿に載った日を起点に数えます。
NTT<9432>は、株を買ったあと初めて株主名簿に載った日を「起算日」としています。株主名簿が確定するのは毎年3月・6月・9月・12月の最終営業日で、たとえば2026年1月に買った場合の起算日は2026年3月の最終営業日、4月に買った場合は6月の最終営業日です。保有期間は、同じ株主番号で名簿に続けて載っている期間です。
ソフトバンク<9434>も、保有期間の日付は株主名簿に記載・記録された日付で、株を取得した日とは違うとしています。初回の進呈では、同じ株主番号で3月31日と9月30日の名簿に3回以上続けて載っていることが条件でした。
NTT<9432>は、相続や証券会社の変更、貸株の利用などで名簿から外れると株主番号が変わることがあり、その場合は新たに名簿に載った日が起算日になるとしています。ご自身の株主番号や名簿に載った時期は、取引先の証券会社で確かめておきたいところです。
配当の予想はNTTが年5.4円、ソフトバンクが年8.8円。どちらも増配の予想
NTT株式会社「2026年度 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」によると、NTT<9432>の1株あたり年間配当金は次のとおりです。
NTTの1株あたり年間配当金
- 2025年度 5.3円(第2四半期末2.65円・期末2.65円)
- 2026年度(予想) 5.4円(第2四半期末2.7円・期末2.7円)
同社の「株主還元(配当・自己株式取得)」のページでは、2026年度の5.4円は16期連続の増配になる予定とされています。2026年5月8日には、2,000億円を上限とする自己株式の取得も決議しており、取得期間は2027年3月31日までです。
ソフトバンク株式会社「株主還元・配当」によると、ソフトバンク<9434>の普通株式1株あたりの年間配当金は次のとおりです。2024年10月1日に1株を10株に分けた株式分割の前の分も、分割後の株数に合わせた金額で示されています。
ソフトバンクの1株あたり年間配当金
- 2020年3月期 8.5円
- 2021年3月期~2026年3月期 各期8.6円
- 2027年3月期(予想) 8.8円(中間4.4円・期末4.4円)
2021年3月期から6期続けて8.6円で、2027年3月期の予想で8.8円に上がる形です。会社は、2027年3月期から2031年3月期までの中期経営計画で、利益の成長に合わせた継続的な増配を目指すとしています。2027年3月期の配当性向の予想は76.2%です。
2027年3月31日は2社の期末配当の基準日。権利付き最終日は3月29日
次の期末配当の基準日は2027年3月31日(水)です。この日の名簿に載るには、権利付き最終日の3月29日(月)までに株を買っておく必要があります。
ソフトバンク<9434>の優待は、3月31日か9月30日のどちらかが基準日になり、そこから1年続けて100株以上を持つことが条件です。NTT<9432>の優待は、2026年3月31日の基準日では保有期間2年以上3年未満と5年以上6年未満が対象でした。どちらも、名簿に載った日から数える期間が大切です。
長期間保有することが優待の条件になりますので、業績なども含めて総合的に検討しましょう。
株価が100円台や200円台の会社では、100株分の金額も2万円前後です。優待や配当の条件のほうは見落としやすいところもありますので、一覧を落ち着いて読んでおきたいところです。
今回の2社の優待は、どちらも保有期間が条件で、期間の数え方は株主名簿に載った日が起点です。株を買った日と名簿に載る日はずれるので、その差を知っておくと条件を読み違えにくくなります。
配当は2社とも今期の予想で増える形ですが、予想は決算のたびに見直されることがあります。発表があったら会社のページを開き直して、最新の数字で確かめてみてください。
同じ増配の予想でも、NTTは16期続けて増やしてきた流れの中の予想で、ソフトバンクは6期同じ金額が続いたあとの予想です。何年分かを並べて見ると、それぞれの会社の配当の歩みが読み取りやすくなります。
参考資料
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
野村證券株式会社出身。FP2級・証券外務員一種を保有。国内外株式、投資信託、債券、保険商品まで幅広い資産運用に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集長として記事も執筆。

2社の優待は、どちらも株数より「どのくらい続けて持っているか」で受け取れるかが決まります。100株を持っていても、保有期間の条件にあてはまらなければ対象になりません。
もう1つの共通点は、自分で手続きをしないと受け取れないことです。NTTはエントリー、ソフトバンクは申請が必要で、どちらにも期限があります。手続きには、郵送物や配当金計算書に書かれた番号を使います。届いた書類は、手続きが済むまで捨てずに保管しておきたいところです。
ポイントや電子マネーは、受け取ったあとに使う場面まで思い浮かべておくと、受け取りの手続きも忘れにくくなります。NTTのエントリー期間は2027年3月31日まで、ソフトバンクの申請期日は基準日によって3月31日か9月30日なので、カレンダーに書き込んでおくのも1つの方法です。