【分割から3カ月で明暗】住友商事は+12.98%・古河電工は▲9.17%、キオクシア・三井住友FGに先行した分割銘柄の値動きは?
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【分割から3カ月で明暗】住友商事は+12.98%・古河電工は▲9.17%、キオクシア・三井住友FGに先行した分割銘柄の値動きは?

決算・優待新設のタイミングで追う3銘柄の値動きと、最低投資金額の変化を整理

執筆者高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者
11:00
【分割から3カ月で明暗】住友商事は+12.98%・古河電工は▲9.17%、キオクシア・三井住友FGに先行した分割銘柄の値動きは?
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この記事はここがポイント

  • 7月1日株式分割の住友商事+12.98%、古河電工▲9.17%など3銘柄は、約3カ月で明暗の結果
  • 住友商事の自社株買い、花王の株主優待新設も株価に影響
  • 株式分割で最低投資金額が大幅に下がり、個人投資家の購入機会が拡大

キオクシアホールディングス<285A>と三井住友フィナンシャルグループ<8316>が、10月1日付で株式分割を実施しました。

キオクシアは1株を3株に、三井住友FGは1株を2株に分割し、いずれも9月30日が基準日です。

市場では権利落ち日の9月29日から分割後の価格で売買が始まっており、両社とも100株あたりの最低投資金額はぐっと下がりました。

株式分割は「株が買いやすくなる」イベントとして個人投資家の関心を集めやすいテーマです。

では、少し先に分割を済ませた銘柄の株価は、その後どう動いたのでしょうか。

今回は、7月1日付で分割した花王<4452>、古河電気工業<5801>、住友商事<8053>の3銘柄について、分割から約3カ月の値動きを確認していきましょう(株価は終値ベース)。

キオクシアと三井住友FG、分割後の価格で売買が始まった3日間

まず、分割したばかりの2銘柄の概要と、分割後の価格で取引が始まった9月29日から、効力発生日の10月1日までの値動きを整理します。

【キオクシアHD<285A>】

  • 分割比率:1株→3株(7月31日発表)
  • 終値:53,340円(9月28日・分割前)→19,100円(10月1日・分割後)
  • 100株の最低投資金額:533万4,000円→191万円

【三井住友FG<8316>】

  • 分割比率:1株→2株(5月13日発表)
  • 終値:6,990円(9月28日・分割前)→3,383円(10月1日・分割後)
  • 100株の最低投資金額:69万9,000円→33万8,300円

※最低投資金額は各日の終値×100株で算出。売買手数料などは考慮していません

キオクシアは7月31日の大引け後に、第1四半期決算とあわせて株式分割と上限8,000億円の自社株買いを発表していました。

自社株買いは8月3日から10日までの間に上限分を取得し、すでに終了しています。

9月28日の終値53,340円を分割比率で割った調整後の株価は17,780円です。

9月29日は17,880円、30日は18,095円と小動きでしたが、10月1日は前日比+5.55%の19,100円まで上昇し、調整後の株価を7.42%上回る水準となりました。

三井住友FGは、5月13日に分割を発表していました。

同日には上限1,800億円の自社株買いと、9月30日を初回基準日とする株主優待制度の導入もあわせて発表しています(自社株買いは7月31日までに終了)。

9月28日終値6,990円の分割調整後の株価は3,495円で、9月29日は3,357円(▲3.95%)まで下げ、30日には3,471円まで戻しました。

10月1日は前日比▲2.54%の3,383円で、調整後の株価を3.20%下回っています。

なお、9月29日は9月30日を基準日とする中間配当(分割前の1株あたり90円)と、初回の株主優待の権利落ち日にも重なっていました。

そもそも株式分割とは?株価が下がっても資産は減らない

株式分割とは、1株を複数の株に分けることです。

たとえば花王は1株を2株に分割したため、分割前に100株を持っていた株主は200株を持つことになりました。

株価は理論上2分の1になりますが、株数が2倍になるため、保有している株式の価値そのものは変わりません。

花王の場合、権利付き最終日の6月26日の終値は6,544円で、100株を買うには65万4,400円が必要でした。

分割後の価格で取引が始まった6月29日の終値は3,250円で、100株なら32万5,000円で買えるようになっています。

各社とも、投資単位当たりの金額を引き下げて投資家層の拡大を図ることを分割の目的に挙げています。

東京証券取引所も、望ましい投資単位として50万円未満という水準を示しており、2026年7月28日には投資単位が50万円以上の上場会社に対し、株式分割の検討を改めて要請しました。

ただし、分割は「買いやすさ」を変えるイベントであって、企業の稼ぐ力そのものを変えるものではありません。

分割後の株価を見る際は、分割前の株価を分割比率で割り直した「調整後の株価」と比べる必要があります。

7月1日に分割した3銘柄、権利付き最終日からの騰落率

花王・古河電工・住友商事の3社は、いずれも6月30日を基準日、7月1日を効力発生日として分割しました。

権利付き最終日の6月26日の終値(分割調整後)を起点に、10月1日終値までの騰落率を比べると次のとおりです。

  • 住友商事<8053>(1株→4株):1,550.25円→1,751.5円(+12.98%)
  • 花王<4452>(1株→2株):3,272円→3,482円(+6.42%)
  • 古河電工<5801>(1株→10株):4,528円→4,113円(▲9.17%)
  • (参考)TOPIX:3,963.36→4,131.98(+4.25%)

※6月26日終値は分割前の終値を分割比率で割った調整後の値(花王6,544円÷2、古河電工45,280円÷10、住友商事6,201円÷4)

同じ日に分割した3銘柄でも、約3カ月後の値動きは大きく分かれました。

住友商事と花王はTOPIXの上昇率(+4.25%)を上回った一方、古河電工は▲9.17%の下落となっています。

ただし、この期間には分割以外の材料も重なっています。

住友商事は分割と同じ5月1日に上限800億円の自社株買いを発表し、9月3日まで市場で買い付けを続けていました。花王は8月5日に株主優待制度の新設を発表しています。

一方、古河電工には期間中にこうした自社株買いや優待の発表はありません。

銘柄ごとに株主還元策などの条件が異なるため、騰落率の差を分割の効果として単純に比較することはできない点に注意が必要です。

分割後の最低投資金額は、10月1日の終値ベースで住友商事が17万5,150円、花王が34万8,200円、古河電工が41万1,300円です。

分割前の6月26日時点(住友商事62万100円、花王65万4,400円、古河電工452万8,000円)と比べると、特に古河電工は10分割によって、個人投資家にも手が届きやすい水準に変わりました。

住友商事<8053>:場中の決算発表を機に上昇、9月7日に分割後の最高値

住友商事は5月1日13時に、1株→4株の株式分割を発表していました。

同時に、上限800億円(8,800万株)の自社株買いと、取得した株式の全数を消却することも決めています。

発表当日の株価は前日比+1,000円のストップ高となる6,840円(分割前)で取引を終えました。

自社株買いは5月7日から9月3日までに4,765万3,100株・799億9,998万5,850円分を取得して終了しており、分割後の期間の大半で買い付けが続いていたことになります。

分割後は7月17日に終値1,514円(6月26日比▲2.34%)まで下げる場面もありましたが、7月31日13時に2027年3月期第1四半期決算を発表し、同日の終値は前日比+4.90%の1,670円となりました。決算は増収で、最終利益も前年同期を上回っています。

その後も株価は堅調に推移し、9月7日には分割後の終値ベースの最高値となる1,871.5円(6月26日比+20.72%)をつけています。

10月1日終値の1,751.5円は、この最高値からやや下げた水準です。

住友商事の年間チャート

住友商事の年間チャート

花王<4452>:中間決算と株主優待新設の翌日に+12.83%

花王は2月5日に1株→2株の株式分割を発表していました。

分割後の7月1日には終値3,183円(6月26日比▲2.72%)と、分割後の終値ベースの最安値をつけています。

なお、権利落ち日の6月29日は、6月30日を基準日とする中間配当の権利落ち日でもありました。

流れが変わったのは8月です。

花王は8月5日の大引け後(15時30分)に2026年12月期中間決算を発表し、あわせて通期業績予想の上方修正と株主優待制度の新設を公表しました。中間決算は増収増益でした。

これを受けて翌8月6日の株価は、前日比+12.83%の3,597円まで買われました。

8月10日には分割後の終値ベースの最高値3,738円(6月26日比+14.24%)をつけ、10月1日終値は3,482円となっています。

新設された株主優待は12月31日が基準日で、保有株数に応じて同社製品などが贈られます。

花王の年間チャート

花王の年間チャート

古河電工<5801>:7月下旬に▲38.77%の水準まで下落、8月に急反発

古河電工は5月12日14時に1株→10株の株式分割を発表していました。

同日の株価はストップ高となる50,430円(分割前、前日比+7,000円)で取引を終えています。

分割後の値動きは、3銘柄の中で最も振れ幅が大きくなりました。

分割後の価格で取引が始まった6月29日の翌日、6月30日には終値4,730円(6月26日比+4.46%)をつけましたが、その後は下落基調となり、7月29日には終値2,772.5円まで下げています。

6月26日の調整後終値4,528円と比べると▲38.77%の水準です。

8月に入ると株価は急速に戻し、8月4日は前日比+11.44%の3,566円、8月5日は同+9.90%の3,919円と大幅高が続きました。

8月6日14時に発表した2026年度第1四半期決算は、データセンタ関連製品の売上増加などで増収増益となり、第1四半期としては2001年度以降で最高の業績でした。

株価は8月12日に終値4,222円まで回復しました。

9月30日は3,856円でしたが、10月1日は前日比+6.66%の4,113円まで上昇しています。

7月29日の安値水準からは大きく戻したものの、6月26日の水準にはまだ届いていません。

古河電工の年間チャート

古河電工の年間チャート

記者コメント

株式分割は、最低投資金額を引き下げて個人投資家が株を買いやすくするためのものです。

100株を買うのに450万円以上が必要だった古河電工が、10月1日の終値ベースでは41万1,300円で買えるようになったことは、分割の効果をわかりやすく示しています。

一方で、7月1日に同時に分割した3銘柄の値動きを見ると、分割から約3カ月で+12.98%から▲9.17%まで差が開きました。

住友商事は第1四半期決算、花王は中間決算と株主優待の新設という、分割とは別の企業ごとの発表のあとに株価が水準を切り上げています。

住友商事は期間中に自社株買いも続けていたため、3銘柄の騰落率は同じ条件で並べたものではありません。

古河電工のように、分割後に大きく値下がりしてから戻す銘柄もありました。

株式分割そのものは企業の稼ぐ力を変えないため、分割したからといって株価が上がるとは限りません。

10月1日に分割したキオクシアと三井住友FGも、分割は「買いやすさ」が変わったにすぎません。

分割をきっかけに投資を検討する場合も、次の決算や還元方針などの中身を確認したうえで判断したいところです。

免責事項

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
  • 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
  • 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
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高原 祥子LIMO&ファイナンス編集部記者

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