この記事はここがポイント
- 過去の権利落ちで優待価値(30円)を超える8.47%下落が2025年9月に発生
- 1Qは営業損益7.7億円の赤字、主力回転寿司も6.4億円の損失を計上
- 年2回、100株保有で3,000ポイントをコロワイドグループ店舗で進呈
9月28日の権利付き最終日を前に、個人投資家の目は9月末に権利が確定する銘柄に向かっています。
3月決算の企業にとって9月末はちょうど中間期の区切りにあたり、配当や株主優待を受け取れる銘柄が集中するためです。
「かっぱ寿司」を全国に展開するカッパ・クリエイト<7421>も、9月30日を基準日として株主優待ポイントを贈呈する銘柄の一つです。
ただ、足元の業績は厳しい局面にあります。
本記事では、最新の決算から同社の稼ぎ頭となっている事業をひも解き、あわせて優待の中身と、過去の権利付き最終日の前後で株価がどう動いたかを見ていきましょう。
稼ぎ頭は売上の8割を占める回転寿司事業、直近の四半期は損益が赤字に
カッパ・クリエイトの売上をけん引しているのは、主力の回転寿司事業です。
8月12日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4~6月期)決算では、この事業の売上高が145億3,300万円(前年同期比2.0%減)となり、全社売上の81.9%を占めました。
売上規模はほぼ前年並みを保った一方、利益面は大きく悪化しています。
回転寿司事業のセグメント損益は6億4,700万円の損失となり、前年同期の3億3,400万円の利益から赤字に転じました。売上の大半を生む柱の事業が、この四半期は利益を出せなかった形です。
総菜や弁当などを製造・販売するデリカ事業は、売上高32億1,700万円(同4.2%減)、セグメント損失7,600万円(前年同期は2,800万円の損失)と、赤字幅が広がりました。
この結果、全社の第1四半期の業績は次のとおりとなりました。
- 売上高:177億5,100万円(前年同期比2.4%減)
- 営業損益:7億700万円の損失(前年同期は3億2,200万円の利益)
- 経常損益:6億8,100万円の損失(前年同期は3億6,300万円の利益)
- 四半期純損益:7億6,500万円の損失(前年同期は3億3,100万円の利益)
決算短信では、事業環境として原材料・エネルギー価格の高止まり、人手不足にともなう人件費の上昇、物価高による消費者の節約志向の強まりが挙げられています。
四半期ごとの営業損益を並べると、2025年10~12月期が3億9,000万円の損失、2026年1~3月期が9,000万円の利益、そして2026年4~6月期が7億700万円の損失です。
一時的に黒字を確保した四半期はあったものの、ここ数四半期は低い水準での推移が続いています。
前期は減損損失を計上し、無配に
利益の落ち込みは前期から続いています。
5月8日に発表した2026年3月期決算は、売上高731億9,300万円(前期比0.0%減)と横ばいでしたが、営業利益は5億3,200万円(同62.9%減)に縮小しました。
回転寿司事業の営業利益も5億1,500万円と前期から約63%減り、全社の減益分の大半を占めています。
らに同社は、国内85店舗・海外2店舗・国内1工場の固定資産について7億1,500万円の減損損失を計上しました。
最終損益は3億9,400万円の赤字(前期は10億3,200万円の黒字)となり、配当は前期の1株5円から無配になっています。
通期は増収増益の計画、下期の巻き返しが焦点
一方、同社が示している2027年3月期の通期業績予想は、売上高798億4,000万円(前期比9.1%増)、営業利益13億6,600万円(同156.6%増)、経常利益13億8,700万円(同134.2%増)、純利益9億3,600万円と、増収増益への転換を描いています。
第1四半期が営業赤字で終わったため、計画の達成には残りの期間で大きく挽回する必要があります。
2027年3月期の配当予想は未定です。
株主優待は年2回、コロワイドグループ店舗で使えるポイント
カッパ・クリエイトの株主優待は、3月末と9月末の年2回、100株以上を保有する株主に「株主様ご優待ポイント」(1ポイント=1円相当)を進呈する制度です。
9月末基準日の分は12月に発行されます。
1回ごとの進呈ポイントは保有株数で3段階に分かれています。
- 100株以上1,000株未満:3,000ポイント(3,000円相当)
- 1,000株以上2,000株未満:6,000ポイント(6,000円相当)
- 2,000株以上:12,000ポイント(12,000円相当)
2,000株を超えて買い増しても12,000ポイントが上限で、それ以上は増えません。
100株を保有し続けた場合、3月末と9月末の2回で年間6,000円分を受け取れる計算です。
ポイントは「かっぱ寿司」だけでなく、甘太郎、いろはにほへと、ステーキ宮、にぎりの徳兵衛、寧々家など、コロワイドグループの幅広い業態で飲食代の支払いに使えます。
ただし、牛角やしゃぶしゃぶ温野菜、フレッシュネスバーガーなど一部の業態は対象外です。有効期限はポイント付与日から1年間です。
近くにグループ店舗がない場合は、ポイントを全国各地の特選品と交換することもできます。
2026年3月末基準日分(6月発行)の申込期間は2026年7月~12月末日で、9月末基準日分の申込期間はポイント発行後に案内される見込みです。
9月末の権利取得スケジュール
- 権利付き最終日:9月28日(月)
- 権利落ち日:9月29日(火)
- 権利確定日(基準日):9月30日(水)
優待を受け取るには、9月28日の大引けまでに株を買っておく必要があります。
権利付き最終日をはさんだ値動き:2025年9月は3営業日で▲8.47%、2026年3月は▲3.13%
優待を目的に権利付き最終日の直前に買う場合、気になるのが権利落ち後の株価です。
直近の2回について、権利付き最終日をはさんだ前後3営業日の動きを確認しました。
2026年3月(権利付き最終日:3月27日)
3月24日~26日の株価は1,630円~1,640円台で小動きが続き、権利付き最終日の3月27日の終値は1,631円でした。
権利落ち日の3月30日は1,611円(▲20円、▲1.23%)と下げ、3営業日後の4月1日には1,580円まで下落しています。
権利付き最終日から見ると▲51円(▲3.13%)です。
権利付き最終日と前後3営業日の株価推移(2026年3月)
2025年9月(権利付き最終日:9月26日)
こちらは権利付き最終日に向けて株価が上昇していました。
9月22日に1,657円だった終値は、祝日をはさんで3営業日で1,688円(+31円、+1.87%)まで上昇し、9月26日の日中には1,699円をつけています。この1,699円は、その後の1年間で一度も上回っていない水準です。
ところが権利落ち日の9月29日は1,625円(▲63円、▲3.73%)と大きく下げ、その後も下落が続きました。3営業日後の10月1日の終値は1,545円で、権利付き最終日から▲143円(▲8.47%)の下落です。
権利付き最終日と前後3営業日の株価推移(2025年9月)
100株で3,000円分という優待の価値は、1株あたりに直すと30円相当です。
2026年3月は権利落ち日の下げ幅(20円)がこの範囲に収まったのに対し、2025年9月は63円と大きく上回りました。
2回とも、権利付き最終日の水準を3営業日後も下回ったままでした。とくに2025年9月は、最終日にかけて上昇していた分がそのまま吐き出され、優待1回分の価値を大きく超える下落になっています。
記者コメント
カッパ・クリエイトは、前期に無配となり、直近の四半期では稼ぎ頭の回転寿司事業も赤字に転じましたが、株主優待制度は続けています。
配当がない現状では、同社の株主還元の中心は優待ポイントということになります。
一方、過去2回の権利落ち後の株価を見ると、3営業日で優待の価値を上回る下落となった場面もありました。
権利付き最終日の直前に取得する場合は、優待の実利と株価の下落リスクを比べたうえで、購入のタイミングを考えることが大切です。
通期計画に対する下期の業績の進み具合もあわせて確認しておきたいところです。
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
