FRBの情報発信大改革:パウエル前体制からの3つの変更点
今回のFOMCで金利の据え置き以上に市場を驚かせたのが、FRBから市場への「情報発信のあり方」が根本から覆されたことです。
泉田氏は、パウエル前議長の体制とウォーシュ新体制では、コミュニケーションの手法に大きな3つの変更点があると解説します。
1つ目は、「フォワードガイダンス」の削除です。フォワードガイダンスとは、中央銀行が将来の金融政策の方向性(例えば「当面は低金利を維持する」など)をあらかじめ市場に示唆することです。パウエル体制では声明文に明記されていましたが、ウォーシュ体制ではこれが声明から削除されました。
2つ目は、声明文書の簡潔化です。これまでは参加メンバーの考えなどが長めの定型的な文章で丁寧に書かれていましたが、今回からは事実のみを短く簡潔に伝える形式に変更されました。
そして3つ目が、議長自身の「ドット」の非公表です。ドットとは、政策金利の見通しを示す点のことですが、ウォーシュ議長は自らの予測を外部に出さない方針を打ち出しました。
パウエル前体制とウォーシュ新体制の情報発信の比較
パウエル前体制では、市場との対話を重視し、サプライズが起きないように細心の注意を払ってきました。しかし、ウォーシュ体制ではその手厚いサポートを取りやめることになります。泉田氏はこれを、「市場を誘導するのをやめたい」というFRBの明確なメッセージだと捉えています。
「イズミダイズム」はモニクルグループが運営する金融・経済YouTubeチャンネルです。フィデリティ投信や日本生命出身の元機関投資家の泉田良輔が、プロの視点から経済ニュースの裏側や資産形成のトピックを論理的に解説します。
株式会社モニクルリサーチ代表取締役。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。元機関投資家。フィデリティ投信や日本生命で日本株式や米国株式の証券アナリストやファンドマネージャーとして勤務。東京科学大学大学院非常勤講師。
