配当利回りで選ぶなら、三井物産がトップ
まず、インカムゲインを重視する方が気になる配当利回りから見ていきましょう。
最も高いのは三井物産の2.82%です。
次いで三菱商事2.54%、住友商事2.46%と続き、伊藤忠商事2.23%、丸紅2.14%が最も低い水準となっています。
定期的な配当収入を安定して積み上げたい方にとっては、三井物産が有力な選択肢になりそうです。
割安度で選ぶなら、PERは住友商事、PBRは三井物産
一方、株価の割安さや今後の値上がり余地を重視する方は、PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)を確認しておきたいところです。
PERで見ると、住友商事が12.34倍と5社の中で最も低く、割安感が際立っています。伊藤忠商事14.41倍、丸紅15.18倍、三井物産15.31倍はほぼ横並びで、三菱商事16.36倍が相対的に高い水準です。
PBRでは三井物産が1.61倍で最も低く、僅差で住友商事1.68倍が続きます。
三菱商事1.91倍、丸紅2.02倍、伊藤忠商事2.09倍は2倍前後の水準です。
配当と違い、割安さの先には「今後の株価上昇」という伸びしろへの期待が込められています。
目先の収入よりも値上がり益を狙いたい方には、住友商事や三井物産が比較検討の候補に挙がってくるでしょう。
上場来高値からの下落率は、三井物産が最大
最後に、7月23日終値が上場来高値から何%下落しているかを見てみましょう。
この下落幅は、押し目とみるか、まだ調整途中とみるかで受け止め方が分かれるところです。
下落率が大きい順に並べると、以下のようになります。
- 第1位 三井物産:上場来高値6,675円(2026年4月8日)から7月23日終値4,970円へ、▲25.5%
- 第2位 三菱商事:上場来高値6,012円(2026年5月15日)から7月23日終値4,916円へ、▲18.2%
- 第3位 住友商事:上場来高値1,943.8円(2026年5月13日)から7月23日終値1,629円へ、▲16.2%
- 第4位 丸紅:上場来高値6,328円(2026年2月12日)から7月23日終値5,384円へ、▲14.9%
- 第5位 伊藤忠商事:上場来高値2,286.5円(2026年2月27日)から7月23日終値1,971円へ、▲13.8%
下落率が最も大きいのは三井物産で▲25.5%です。
三菱商事、住友商事は▲16~19%台で続き、丸紅・伊藤忠商事は▲14%前後とやや調整幅が小さくなっています。
配当利回りとPBRの低さで先ほども名前が挙がった三井物産は、裏を返せば高値からの調整も大きい銘柄だといえます。
まとめ
ここまで見てきたように、五大商社といっても指標ごとに強みを持つ銘柄はそれぞれ異なります。
①配当利回り重視なら、三井物産が最有力候補です
②割安さ(PER)を重視するなら、住友商事が突出しています
③割安さ(PBR)を重視するなら、三井物産と住友商事が拮抗しています
④高値からの調整幅の大きさは、三井物産が最大です
大切なのは、どの銘柄が「一番良い」かではなく、ご自身がどのようなスタンスで投資に向き合いたいかです。
配当という形で着実なリターンを積み上げたいのか、それとも割安さや伸びしろに賭けて値上がり益を狙いたいのか。
あるいは、大きく調整した銘柄を押し目とみて向き合うのか、まだ様子を見たいのか。
こうした自身の投資スタンスを改めて点検したうえで、方針に合った銘柄を検討してみてはいかがでしょうか。
決算発表は7月31日の住友商事を皮切りに、8月3~4日にかけて残り4社が控えています。
今回紹介した指標はあくまで決算発表前時点のものですので、発表後はあらためて内容をご確認いただき、ご自身の投資方針に照らして検討されるとよいでしょう。
参考
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
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フィスコなどの金融専門誌出身。10年以上にわたり日経QUICKやブルームバーグ等で機関投資家向けの債券市場記事を執筆。企業調査レポートや決算などIR情報の発信に精通し、現在は経済メディア『LIMO』編集部で記事を執筆。
PROFILE
立教大学卒業後、海外専門の旅行会社に就職し、その後旅行業界専門誌の記者に転身。企業決算の記事などを手掛けるうちに金融マーケットに興味を持つようになり、株式や債券の発行市場をカバーする金融専門誌の記者に転職。債券市場の動向や市況について、10年以上にわたって数多くの記事を機関投資家に向けて日経QUICKやブルームバーグ等へ執筆した。その後、株式会社フィスコでアナリストが執筆する企業調査レポートの編集を手掛けるとともに、決算などIR情報の発信業務に携わる。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』のLIMO編集部に所属し、LIMOでも記事を執筆している。
