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【厚生年金】全国平均「15万289円」、神奈川と青森で月「4万円」もの差…住む県で年金額が違うのはなぜ?

執筆者太田 彩子LIMO&ファイナンス編集部記者
12:00
【厚生年金】全国平均「15万289円」、神奈川と青森で月「4万円」もの差…住む県で年金額が違うのはなぜ?

「老後はいくら年金がもらえるのか」と、ふと気になるタイミングがあるのではないでしょうか。

会社員として長く働いてきた人なら、厚生年金がいくら受け取れるか、自身のおおよその水準を把握しておきたいところです。

厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金部分を含む)の全受給権者の平均年金月額は「15万289円」でした。

さらに都道府県別にみると、1位の神奈川県と47位の青森県では月額で4万円以上、年間にすると50万円を超える差が確認されています。

場所によって年金受給額の平均にこれほどの差が生まれることに対しては、「意外だ」「賃金の水準が異なるから当然だ」などさまざまな意見が寄せられるものです。

この記事では、厚生年金と国民年金の都道府県別ランキングを整理しながら、金額の差が生まれるしくみを、データを手がかりにみていきます。

【厚生年金の全国平均】15万289円に。男女差や個人差にも目を向けたい

会社員や公務員、またパートで特定適用事業所に勤め一定の要件を満たす人は、老齢厚生年金と老齢基礎年金(国民年金)をあわせて受け取るしくみになっています。 厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の全受給権者の平均年金月額は「15万289円」でした。

ここには国民年金の金額も含まれます。

また、実際に支給される年金額には男女差・個人差があり、実際に手元に入る金額は一人ひとり違うことに注意が必要です。

厚生年金の男女差

  • 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
  • 〈女性〉平均年金月額:11万1413円

厚生年金の受給額の分布

厚生年金の受給額の分布

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

厚生年金の個人差

  • ~1万円:4万3399人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4137人
  • 2万円以上~3万円未満:3万5397人
  • 3万円以上~4万円未満:6万8210人
  • 4万円以上~5万円未満:7万6692人
  • 5万円以上~6万円未満:10万8447人
  • 6万円以上~7万円未満:31万5106人
  • 7万円以上~8万円未満:57万8950人
  • 8万円以上~9万円未満:80万2179人
  • 9万円以上~10万円未満:101万1457人
  • 10万円以上~11万円未満:111万2828人
  • 11万円以上~12万円未満:107万1485人
  • 12万円以上~13万円未満:97万9155人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3506人
  • 14万円以上~15万円未満:92万9264人
  • 15万円以上~16万円未満:96万5035人
  • 16万円以上~17万円未満:100万1322人
  • 17万円以上~18万円未満:103万1951人
  • 18万円以上~19万円未満:102万6888人
  • 19万円以上~20万円未満:96万2615人
  • 20万円以上~21万円未満:85万3591人
  • 21万円以上~22万円未満:70万4633人
  • 22万円以上~23万円未満:52万3958人
  • 23万円以上~24万円未満:35万4人
  • 24万円以上~25万円未満:23万211人
  • 25万円以上~26万円未満:15万796人
  • 26万円以上~27万円未満:9万4667人
  • 27万円以上~28万円未満:5万5083人
  • 28万円以上~29万円未満:3万289人
  • 29万円以上~30万円未満:1万5158人
  • 30万円以上~:1万9283人

こうしてみると、厚生年金は幅広い受給額層に分布しているのが見えてきます。さらに興味深い事象として、平均年金月額には「都道府県ごとの差」も生じているのです。次章で詳しく見ていきましょう。

【厚生年金の都道府県ランキング】月4万円以上の差も

前述のとおり、厚生年金の平均受給額には都道府県ごとの差もあります。平均年金月額が「多い都道府県」「少ない都道府県」はそれぞれどこなのでしょうか。

同じく厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、ランキング形式でみていきましょう。

厚生年金の平均年金月額が「高い」都道府県【上位5都県】

  • 神奈川県:17万457円
  • 千葉県:16万5103円
  • 東京都:16万3892円
  • 奈良県:16万2292円
  • 埼玉県:16万1752円

厚生年金の平均年金月額が「低い」都道府県【上位5県】

  • 青森県:12万8129円
  • 沖縄県:12万8819円
  • 宮崎県:12万9224円
  • 秋田県:12万9503円
  • 山形県:13万1169円

都道府県別老齢年金受給者数及び平均年金月額

都道府県別老齢年金受給者数及び平均年金月額

都道府県別老齢年金受給者数及び平均年金月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO&ファイナンス編集部作成

都道府県別の平均年金月額をみると、1位の神奈川県と47位の青森県では月額で4万円以上の差がついています。年間に換算すれば50万円を超えるため、地域による格差は決して小さいとはいえないでしょう。 もちろん、厚生年金の受給額は住んでいる場所そのもので決まるわけではありません。この差は、厚生年金の受給額がどのように決まるのか、そのしくみに理由があるのです。

厚生年金の受給額はどうやって決まる?計算方法

厚生年金の受給額の計算には、現役時代の報酬(給与や賞与)と、年金加入期間が使われます。具体的には次の計算式の合計で決まります(報酬比例部分)。

報酬比例部分の計算方法

報酬比例部分の計算方法

出所:日本年金機構 年金用語集「は行 報酬比例部分」

  • A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
  • B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数

このしくみが、都道府県ごとの平均年金額の差に直結しているのです。

都市部では賃金水準が高い傾向があり、また地域によって自営業や共働き世帯の比率も異なります。

こうした現役時代の働き方の違いが、年金の平均月額の差として表れているといえます。

【国民年金(老齢基礎年金)】都道府県による年金差は小さめ

一方、国民年金(老齢基礎年金)の受給額は、保険料を納めた月数で決まります。満額も固定されているため、厚生年金とくらべると個人差や男女差、地域による格差は大きくありません。

参考として、国民年金(老齢基礎年金)の都道府県別の平均年金月額もみていきましょう。

都道府県別「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額

  • 北海道:5万8435円
  • 青森県:5万7137円
  • 岩手県:6万720円
  • 宮城県:5万9532円
  • 秋田県:5万9147円
  • 山形県:6万827円
  • 福島県:5万9922円
  • 茨城県:5万9395円
  • 栃木県:5万9544円
  • 群馬県:6万564円
  • 埼玉県:5万9007円
  • 千葉県:5万9354円
  • 東京都:5万8313円
  • 神奈川県:5万9342円
  • 新潟県:6万1957円
  • 富山県:6万2989円
  • 石川県:6万1923円
  • 福井県:6万2290円
  • 山梨県:5万9275円
  • 長野県:6万2030円
  • 岐阜県:6万1248円
  • 静岡県:6万1150円
  • 愛知県:6万34円
  • 三重県:6万1403円
  • 滋賀県:6万1172円
  • 京都府:5万8206円
  • 大阪府:5万7122円
  • 兵庫県:5万9138円
  • 奈良県:5万8961円
  • 和歌山県:5万7784円
  • 鳥取県:6万1502円
  • 島根県:6万2287円
  • 岡山県:6万1564円
  • 広島県:6万991円
  • 山口県:6万1120円
  • 徳島県:5万8797円
  • 香川県:6万1718円
  • 愛媛県:5万9792円
  • 高知県:5万7926円
  • 福岡県:5万8300円
  • 佐賀県:6万1084円
  • 長崎県:5万8617円
  • 熊本県:5万9907円
  • 大分県:5万8397円
  • 宮崎県:5万9234円
  • 鹿児島県:5万9659円
  • 沖縄県:5万4217円
  • その他:3万785円

国民年金(老齢基礎年金)の受給額は5万円から6万円台が中心で、全国平均は「5万9431円」となっています。

この金額だけで老後の生活費をまかなうのは、現実的に厳しいと感じる人も多いはずです。

そのため、厚生年金の上乗せがない自営業者やフリーランスの人などは特に、現役時代から計画的な資産形成を始めておくことが大切です。

まとめにかえて

厚生年金の平均年金月額は、都道府県によって月額で4万円以上の差があり、年間にすれば50万円を超える違いになることが見えてきました。

とはいえ、これは住んでいる地域だけで決まるものではなく、現役時代の賃金水準や働き方の違いを映した結果といえます。

そもそも「平均値」は、あくまで全体の目安にすぎません。

大切なのは、自身が受け取れるおおよその年金額を早めに把握しておくことです。ねんきんネットやねんきん定期便を使えば、将来の見込み額を確認することができます。

そのうえで不足分をどう補うか、つみたて投資や個人年金など自助努力の選択肢も含めて、いまから少しずつ考えていきたいところです。

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