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【2026年度の年金額】モデル夫婦は1回あたり「約47万5000円」が支給、ひと月分にすると現実はいくら?

執筆者 太田 彩子 LIMO&ファイナンス編集部記者
04:00
【2026年度の年金額】モデル夫婦は1回あたり「約47万5000円」が支給、ひと月分にすると現実はいくら?

ねんきん定期便を眺めていても、受け取れる年金の額がいまひとつ実感として湧かないという方もいるのではないでしょうか。

厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2026年度は国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%引き上げらました。

しかし引上げ率を上回る勢いで物価上昇が進んでいるため、必ずしも暮らしが豊かになるとは言い切れないのです。

さらに、年金は2カ月に一度の支給となるため、家計のやりくりにも工夫が求められます。

標準的な夫婦世帯では、1回の年金支給日に「約47万5000円」が振り込まれる計算となっています。

この記事では、2026年度の年金額の中身、モデル夫婦の働き方、そして男女別の平均年金月額を、かつて自治体の窓口で年金関連の手続きに携わっていた立場からの視点も交えて整理していきます。

【年金の基本】国民年金と厚生年金は「2階建て構造」

公的年金は、基礎部分にあたる「国民年金」と、上乗せ部分の「厚生年金」が組み合わさる2階建ての構造で成り立っています。

厚生年金と国民年金の仕組み

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO&ファイナンス編集部作成

国民年金は原則として、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての方が加入対象であり、国民年金保険料は加入者全員一律です。

働き方等に応じて3種類に分かれます。

  • 第1号被保険者:自営業や20歳以上の学生など
  • 第2号被保険者:会社員や公務員など
  • 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者

このうち第2号被保険者は、2階部分にあたる厚生年金にも加入します。第2号被保険者は国民年金保険料を単体で納める必要はなく、毎月の給与や賞与の金額に応じた厚生年金保険料を納めていきます。

厚生年金については、「年金加入月数」と「納めてきた保険料」の組み合わせによって、老後の年金額が決まる仕組みです。

こうした年金額の決まり方からも、実際に受け取る年金額が一人ひとり違ってくることがわかりますね。

とはいえ、厚生労働省が毎年度の年金改定内容とともに公表する「年金額例」は、自分の年金を考えるときの一つの目安になることもあるでしょう。

具体的には、「標準的な夫婦世帯」は年金支給日に「約47万5000円」が支給されることになっています。次章で詳しく見ていきましょう。

標準的な夫婦世帯は年金支給日に「約47万5000円」が支給される

令和8年度の年金額の例

令和8年度の年金額の例

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO&ファイナンス編集部作成

老齢基礎年金の満額は、昭和31年4月1日以前生まれの方で月額7万408円、昭和31年4月2日以降生まれの方で月額7万608円です(満額1人分)。

また厚生年金は、標準的な夫婦2人分の目安額が23万7279円に引き上げられました。

2カ月に一度の年金支給日には、2カ月分の金額がまとめて支払われます。この夫婦世帯のケースでは、合算で「47万4558円」となります。これが「約47万5000円」の根拠となる数字です。

この「標準的な夫婦」の定義について深堀りしていきましょう。

一度の年金支給日に「約47万5000円」振り込まれる標準的な夫婦とは?

1回の年金支給時に「約47万5000円」を受け取る「標準的な夫婦」について、厚生労働省は次のように定義しています。

男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5万円)で 40 年間就業した場 合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。引用:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から国民年金(基礎年金)が 1.9%の引上げ 厚生年金(報酬比例部分)が 2.0%の引上げです~」

夫が40年間、平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円、年収にして546万円で就労していた会社員などのケースにあたります。そして妻は扶養内のパートや専業主婦などで、厚生年金への加入期間がなく、国民年金のみの受給となる場合です。

こうした夫婦の合計年金が23万7279円となり、2カ月分の合計が「約47万5000円」として支給される計算です。

なお、多くのケースでは、ここから住民税や介護保険料といった税や社会保険料が天引き(特別徴収)されます。

天引きされる内容や実際に振り込まれる金額は、毎年6月に送付される「年金振込通知書」などで確認しておきたいところです。1回の年金支給で「約47万5000円」となれば、まとまった金額に感じられるかもしれません。

しかし、これをひと月分に換算してみると、年金収入だけで暮らしを支えている世帯が多数派とは言い切れないという見方もできるでしょう。

夫婦の年金額は加入状況によってさまざま

厚生労働省の「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」では、多様なライフコースに応じた年金額の概算が示されています。

多様なライフコースに応じた年金額(概算)

多様なライフコースに応じた年金額(概算)

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO&ファイナンス編集部作成

例えば厚生年金期間中心(平均厚生年金期間が39.8年、平均収入が50万9000円)だったという人の場合、年金月額は 17万6793円であると試算されます。

もし夫婦ともに同じようにバリバリ働いたと仮定しましょう。この場合、夫婦の年金月額は35万3586円となり、1回あたりの支給額は70万円を超えます。

一方で、国民年金期間が中心(平均厚生年金期間が6.5年、平均収入が25万1000円)だったという人のケースでは、年金月額が6万1771円とされています。

一度は会社員として就職したものの、結婚や出産で退職した人・独立してフリーランスになった人などがあてはまるでしょう。

夫婦ともに同じような加入実績だった場合、夫婦の年金月額は12万3542円となり、1回あたりの支給額は25万円を下回ります。

実際の夫婦の年金額は、それぞれの加入状況によってさまざまであることがよくわかります。

厚生年金と国民年金、一人当たり「実際の平均的な年金額」はいくら?

ここまで、厚生労働省の資料をもとにモデル年金額を見てきました。

ここからは、厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、実際に支給された年金額について、グラフを交えて見ていきましょう。

「厚生年金」の平均年金月額

厚生年金:年金月額階級別の受給権者数

厚生年金:年金月額階級別の受給権者数

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO&ファイナンス編集部作成

  • 〈全体〉平均年金月額:15万289円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
  • 〈女性〉平均年金月額:11万1413円

※国民年金部分を含む

「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額

国民年金:年金月額階級別の受給権者数

国民年金:年金月額階級別の受給権者数

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO&ファイナンス編集部作成

  • 〈全体〉平均年金月額:5万9310円
  • 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万7582円

平均年金月額で見てみると、厚生年金(国民年金部分を含む)の受給権者は男性が約17万円、女性が約11万円でした。

国民年金については、男女ともに平均月額が6万円前後にとどまります。

上記の数字はあくまでも、全受給権者の平均値です。実際に一人ひとりが受け取る金額は、グラフが示すように大きな個人差があります。

夫婦それぞれの年金見込み額は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用しながら、早めに把握しておくと安心です。

50歳代の約6割は「定年後も働き続けたい」

なお、定年後も働い続けたいと考える人は少なくありません。経済的な不安を抱えているからとも考えられますが、働く理由は金銭面だけではありません。

朝日新聞社が2026年6月22日に公表した「【Reライフ白書】」によると、50歳代~70歳代を中心としたメンバーの57.5%が定年後も「働き続けたい」と回答したことがわかりました。

辞めたいと回答したのは30.3%なので、約2倍です。

その理由は「生活資金のため」が最多となったものの、年齢別に見ると、公的年金受給が始まる65歳以降は「社会的なつながりがほしいから」が最多となるのです。

60歳以降も働く目的

60歳以降も働く目的

出所:株式会社朝日新聞社「定年後も「働き続けたい」が約6割 働く理由は65歳以降に変化【Reライフ白書】」

年を重ねるにつれ、働く理由は変化する傾向にあります。

まとめにかえて

2026年度は、モデル夫婦の年金額が1回あたり「約47万5000円」となる計算で示されました。

ただし、これはあくまで夫の平均標準報酬月額が45万5000円・40年間就業、妻は国民年金のみの受給という前提に基づく数字です。

厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を見てみると、厚生年金の平均月額は男性が16万9967円、女性が11万1413円となっており、男女差も小さくありません。

国民年金については、男女ともに月額6万円前後にとどまります。

定年退職後の暮らしを考えるにあたって、まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で自分の見込み額を確認し、家計の支出と並べながら、早めに準備を進めていきたいところです。

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