
ねんきん定期便を眺めていても、受け取れる年金の額がいまひとつ実感として湧かないという方もいるのではないでしょうか。
厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2026年度は国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%引き上げらました。
しかし引上げ率を上回る勢いで物価上昇が進んでいるため、必ずしも暮らしが豊かになるとは言い切れないのです。
さらに、年金は2カ月に一度の支給となるため、家計のやりくりにも工夫が求められます。
標準的な夫婦世帯では、1回の年金支給日に「約47万5000円」が振り込まれる計算となっています。
この記事では、2026年度の年金額の中身、モデル夫婦の働き方、そして男女別の平均年金月額を、かつて自治体の窓口で年金関連の手続きに携わっていた立場からの視点も交えて整理していきます。
【年金の基本】国民年金と厚生年金は「2階建て構造」
公的年金は、基礎部分にあたる「国民年金」と、上乗せ部分の「厚生年金」が組み合わさる2階建ての構造で成り立っています。
厚生年金と国民年金の仕組み
国民年金は原則として、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての方が加入対象であり、国民年金保険料は加入者全員一律です。
働き方等に応じて3種類に分かれます。
- 第1号被保険者:自営業や20歳以上の学生など
- 第2号被保険者:会社員や公務員など
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者
このうち第2号被保険者は、2階部分にあたる厚生年金にも加入します。第2号被保険者は国民年金保険料を単体で納める必要はなく、毎月の給与や賞与の金額に応じた厚生年金保険料を納めていきます。
厚生年金については、「年金加入月数」と「納めてきた保険料」の組み合わせによって、老後の年金額が決まる仕組みです。
こうした年金額の決まり方からも、実際に受け取る年金額が一人ひとり違ってくることがわかりますね。
とはいえ、厚生労働省が毎年度の年金改定内容とともに公表する「年金額例」は、自分の年金を考えるときの一つの目安になることもあるでしょう。
具体的には、「標準的な夫婦世帯」は年金支給日に「約47万5000円」が支給されることになっています。次章で詳しく見ていきましょう。
地方公務員・保険代理店出身。証券外務員二種保有。自治体で国民健康保険の賦課や高額療養費、退職に伴う年金切り替え等の実務に従事。複雑な社会保障制度に精通し、現在はLIMO編集部で年金・貯蓄・退職金等の金融情報を発信。

