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2024.06.04
2024.06.04

【はたらく女性のお金の見直し】今のクレカのままで大丈夫? チェックポイントをCFPが解説

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執筆者:
大竹 のり子
株式会社エフピーウーマン代表取締役・ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)

いまや日々の生活に欠かせない存在であるクレジットカード。でも、もともと種類が多いのに加え、新カードも続々と登場し、「どのカードを選べばいいの?」「今のカードをそのまま使っていていいの?」と気になっている人も多いはず。そこで今回は、働く女性のお金の見直しの第1弾として、クレカ選びのチェックポイントについて、お金のプロであるファイナンシャルプランナーが解説します。

まずは年会費をしっかりチェック

クレジットカードには、年会費がかかるものとかからないものがあります。また、同じカード会社が発行しているカードであっても、一般カード、ゴールドカード、プラチナカードといったカードのランクによって年会費の金額が異なります。

支出を抑えるという観点から見ると年会費が無料のほうがよいように思えますが、付帯サービスやポイント還元率によっては、年会費を払ったほうが結果的にお得なこともあります。使用金額やライフスタイルにあわせて見極めましょう。

「年会費無料」のカードもあなどれない!

クレジットカードの付帯サービスの手厚さは、基本的にカードのランク、つまり年会費に比例しています。しかし、だからといって年会費無料のカードは使い勝手が悪い、ということもありません。「年会費永年無料」を謳ったカードでも、ポイント還元率の高さを誇るカードや海外旅行保険などの損害保険が無料で付帯されているカード、女性に特化して様々なプレゼントや優待企画を実施しているカードなどがあります。

知らず知らず年会費がかかっていた…とならないように注意

ただし、注意したいのが、初年度だけ年会費無料だったり、年会費無料を継続するためには一定の条件を満たす必要があったりするタイプ。洋服や靴などを買い、レジでお会計をする際に「今、このカードに申込みすると◯◯円割引になるのでお得ですよ」「初年度は年会費もかかりません」と言われて申し込み、そのまま2年、3年と年会費を払い続けていた、というケースはめずらしくありません。

また、実際は「年間○万円以上利用したら翌年は年会費無料」「年1回以上利用したら翌年は年会費無料」といった条件があるにも関わらず、「年会費無料だし」とほとんど使わないカードを保有したままにしているケースもあります。

付帯サービスはバラエティ豊か

では、クレジットカードの付帯サービスにはどのようなものがあるのでしょうか。その内容はカードによっても実にバラエティ豊かです。国内・海外旅行傷害保険や空港でのラウンジサービスに始まり、様々なレストランでの優待サービスが受けられたり、毎月特定の日はスーパーでの買い物が割引になったり、車が故障した場合のロードサービスがついていたり。

一部のプラチナカードでは、飛行機やレストラン、コンサートチケットなどの手配をしてくれるコンシェルジュサービスがあったり、ホテルのグレードアップやシャンパンボトルのサービスが受けられたりします。


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図1

旅行損害保険は条件まで細かく確認を

クレジットカードに旅行傷害保険が付帯されていると、旅行先で急な病気や怪我をした場合や、盗難に遭った場合などに治療費や損害額を補償してもらえます。

ただし、カードによっては、海外旅行傷害保険は付帯しているけれど国内旅行傷害保険は付帯されていないものも。

また、最近では、カードを保有しているだけで補償される「自動付帯」ではなく、旅行代金をそのカードで決済しないと補償されない「利用付帯」と呼ばれるタイプのものが増えてきていますので、新規に申込みする場合はもちろん、すでに保有しているカードについても細かくチェックすることをおすすめします。

旅行以外の損害保険にも注目

そして実は、クレジットカードに付帯している損害保険は、旅行損害保険だけではあ  りません。購入した商品が破損や盗難といった偶然の事故によって損害を被った場合の損害を補償してくれるショッピング保険は、旅行には滅多に行かないという人にとっても嬉しい付帯サービスですよね。

また、最近めきめきと注目されているのが、スマホのトラブルを補償してくれるスマートフォン保険(スマホ保険)。スマートフォン保険が付帯されていると、スマホの盗難に遭った場合に新しい端末の購入費用を補償してもらえたり、水没や破損など場合の修理故障を補償してもらえたりする可能性があります。

貯まるポイントとポイント還元率も要チェック

クレジットカードを賢く利用していくうえで欠かせないのが、ポイントの活用です。

クレジットカードには、JALカードならJALのマイル、楽天カードなら楽天ポイント、三井住友カードならVポイントといったようにそれぞれのカードごとに貯まるポイントが異なります。

また、ポイント還元率にも概ね0.5〜10%と開きがあります。これらのポイントとどう付き合うかによってカード全体のお得度が大きく違ってくることになるので、どのポイントがどのくらい貯まるのかはカード選びの重要なチェックポイントといえます。

ポイント還元率と利用金額でこれだけ違う

下の図は、ポイント還元率が0.5%のカードと3%のカードで還元されるポイントにどれだけ違いが出るのかを比較したものです。

1ヵ月あたりの利用金額が5万円程度であればそれほど大きな差に感じられないかもしれませんが、利用金額が50万円になるとその差は12,500ポイントに。

公共料金や習い事代、生命保険料など毎月ルーティンでかかるものをすべてクレジットカード払いにすれば何もしなくてもこれだけのポイントが自動的に貯まっていくわけですから、ポイント還元率の差にはこだわりたいところです。


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図2

どうせならポイント還元率のアップも狙いたい

クレジットカードの中には、対象となるコンビニやカフェ、ドラッグストア、飲食店などでカードを利用するとポイント還元率がアップするものも多くあります。

さらにカードのタッチ決済やスマホでのタッチ決済で支払うことでポイント還元率がもう一段アップする場合も。普段買い物をしているお店と相性のよいクレジットカードを選ぶことで、ポイントの貯まり方を加速させることができます。

また、リアルの店舗だけではなく、楽天市場やAmazonといったネットショッピングをすることで高いポイント還元率を得られるカードもあるので、頻繁にネットショッピングをする人は要チェックです。

デザインとセキュリティにも注目したい

クレジットカードは日々の生活で頻繁に利用するもの。ですから、サービスや機能はもちろんのこと、デザインが自分の好みに合っているかということも意外と重要です。

また、最近では不正利用のリスクを減らすためにナンバーレスのカードが一気に普及してきています。

ナンバーレスのカードは、見た目もシンプルで洗練されたデザインのものが多いので、スマートにクレジットカードを使いこなしたいという女性にぴったりです。

ナンバーレスには「片面」と「両面」がある

最近のクレジットカードのトレンドであるナンバーレスですが、ひとくちにナンバーレスと言ってもそのタイプは2つに分けられます。それが「片面」と「両面」。「片面ナンバーレス」は、カードの表面にはナンバーがなく、その代わりに裏面にカード情報が集約して印字されているタイプのものを指します。一方の「両面ナンバーレス」の場合、表面と裏面、どちらにもカード情報の印字はなく、カード情報は専用のスマホアプリで確認するタイプのもの。

「完全ナンバーレス」と呼ばれることもあります。スマホアプリを使い慣れている人であれば、両面ナンバーレスのほうが、カードを紛失した場合のリスクがより少なく、安心です。

カード会社のセキュリティ機能もチェックしよう

カードのデザインが一気にナンバーレスにシフトしているとはいえ、クレジットカードから切り離せないのがフィッシング詐欺などによるカードの不正利用です。

ネット決済をする機会が増えれば増えるほど、何かの拍子に不正利用されてしまうというリスクも高まっていくことは避けられません。

ですから、カード会社がこうした不正利用を防ぐために、どのようなセキュリティ対策を講じているのかもしっかりとチェックしたいところです。

ライフスタイルによってベストなクレジットカードは異なる

ここまで読んでいただいてお分かりのように、クレジットカードは、普段どのスーパーやコンビニ、カフェに行くのか、どのポイントの利用機会が多いのか、旅行が好きなのか、ネットショッピングが好きなのか、飛行機に乗る機会が多いか、日常的に車を利用するのかといった、私たち一人ひとりのライフスタイルや嗜好によって相性が異なります。

また、ライフスタイルそのものも、仕事や家族の状況によって変化しますし、クレジットカードのサービスや機能も日々変化しています。

今の自分にベストなクレカを選ぶには、まずは今の自分のライフスタイルと改めて向き合ってみることがその第一歩といえるかもしれません。

執筆者/株式会社エフピーウーマン代表取締役・ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)
大竹 のり子

出版社の編集者を経て2005年4月に株式会社エフピーウーマンを設立。 雑誌、講演、テレビ・ラジオ出演などのほか『お金の教養スクール』を通じて女性がお金の知識をつけることの大切さを伝えている。『なぜかお金に困らない女性の習慣』(大和書房)、『ライフプランから考える お金の増やし方』(ナツメ社)など著書・監修書は70冊以上に及ぶ。

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